2 「知ろうとする」二つの問い

 それは、「どうなっているのだろう?」と「なぜだろう?」という二つの問いです。
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 「人と人が争い合う」
 「貧富の差がある」
 「人に上下がある」
 「物を得るのにお金が要る」
 「罰則を設けて取り締まる」など、これらについて、「どうなっているのだろう?」と「からくり・メカニズム」を「知ろうとする」問いが湧いてきますか。「なぜだろう?」とさえ思わないかもしれませんね。
 おとなよりも、幼い子どもの方が「なぜ? なぜ?」という問いがたくさん湧いてきますね。

 前の項で述べましたが、現状では「人間はこういうものだ」「社会はこういうものだ」としていることが多く、「どうなっているのだろう?」という問いは、とても少ないと思います。
 私たちは、人や社会について、「なぜだろう?」と原因を「知ろうとする」には、まず「どうなっているのだろう?」と、その「からくり・メカニズム」を「知ろうとする」ことだと考えています。
 これを「科学的探究」と呼んでいます。

 『SCIENZ 5号 サイエンズ入門』より抜粋
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