覚書 Ⅳ

 <面接者の心得>という中に「内観者に対しては、全受容・全肯定を心懸ける」「話の内容、態度が分からない、納得できない、不条理であっても、そのまま受け入れる」とある。

 これも<内観者が面接者に依存せずに、自分自身で調べること>を期するものである。面接では内観者が三つのテーマで調べたことを報告することが求められるが、そこから外れていると思われる場合の声かけも慎重に行われる。

 <一人3~5分で>とされている面接で、黙って聴いていたら一時間もたってしまった、そんな経験もあるとのこと。

 内観者に対するアドバイス等の声かけは最低限に押さえられる反面、内観者(の内観過程)に対する配慮は、非常にきめ細かく行われる。内観者が(面接者をも含めた)他に気を逸らさずに、自分を見て調べることに集中できるようにとの配慮。長年面接をやっている人の話から、それが窺がわれるように思えた。こうすると決まったものでもなく、その人の経験(や思想?)から滲みでるようなもののような気もする。

 <自己に対峙する姿勢への尊敬><自己発見の道筋における同伴者>という言葉も印象に残った。

 方法としては単純であるが、究めていくところは、限りなくある、そんな印象を持った。
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