覚書 Ⅲ

 「内観の成功例失敗例中断例いろいろある。面接者はそれで自分を評価するようなことはしないということが大事だ」とある内観研修所の所長をしておられる男性が話していた。

 これも自分の印象に残る話だった。自分を評価しないということの前に、内観者を評価しないということがあると思う。面接していても、内観者の内面は本当は分からないものだ。いろいろ憶測は出来るが、それはあくまでも憶測に過ぎない。

 内観研修所で数十年にわたって面接をやり続けている人の話、どの人の話も味わい深いものだった。自分自身の体験に根ざした自分の言葉で語っている。その体験というのも、言ってみれば<人の話を聴く>という体験だ。何かとても深みのある体験のように思う。

 内観に対する見解も微妙に違っているように思った。それぞれ自分の思想で内観に打ち込んでいる。そんな印象を受けた。
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