人の自由 社会の自由

自由について

ここでいう自由とは、束縛や押し付けがないということで、自然界の現象によっても意志や行為を妨げられることがあり、それを不自由と感じることもあるかもしれないが、ここでは、一応、人為的なもの(束縛や押し付け)がない状態を自由とする。
つまり、自由は獲得したり作り出すものではなく、あえて不自由な人為を加えなければ、誰もが元々自由である。

  人の自由
自分が自分を縛らない
自分が人を縛らない
人が自分を縛らない
  社会の自由
社会が社会を縛らない
社会が人を縛らない
人が社会を縛らない


1.人と人の仲
2.人の実状は?
6.人の自由

3.人と社会の仲
4.社会や組織の実状は?
5.社会の自由




1.人と人の仲

仲が良いとか、仲が悪いとか、と云うが、それはどういうことか
片方だけで仲が良くなったり悪くなったりしないのではないか
仲が悪いということは、双方が相手に対して悪感情を抱いているということではないか

相手が自分の感覚や考えに合わないということと、悪感情を抱くこととは別
相手が悪い、間違っている、ということと、悪感情を抱くこととは別
相手が悪いとか間違っているとか思わなくても、悪感情を抱くことがある
相手が自分に悪感情を抱いていることで、自分も相手に悪感情を抱くことがある
相手が変化することによって、急に悪感情がなくなることがある

悪感情とは「思い通りにならない」ということを誰かのせいにする被害者意識などからくる「自分の気が済まない」「自分が気に入らない」等の不愉快な感情ではないか
・・・・・・・・不自由との関係

気に入っている時は仲良いが、気に入らないと不仲になる
(非常識や反道徳的と見て抱く悪感情も、自分が気に入らないから・・・)


2.人の実状は?

一人一人に意志があり人格があり、誰かの従属物や付属物ではないし、誰かに気に入られる為に存在している訳ではない

自覚はないかもしれないが、人を人(自分)の思いで裁く、人を人(自分)の気が済むようにさせようとする

自分の気が済むようにさせたいと(できないことを)思う不自由
自分の気が済むようにさせたいと思う人がいることによって、こうむる不自由

  人の不自由
  こうあるべきだ        (自分を縛る)
  して当然、してもらって当然 (人を縛る)


3.人と社会の仲

社会はルールや制度を設けて、秩序が乱れないように運営しなければいけない
そうすることによって、人々は安心して暮らせるとしている

人は社会で定めた義務や責任を果たさなければいけない
そうすることによって、秩序が乱れることのない社会になるとしている

社会のあり方、人のあり方を設けて、それに沿うようにする、外れないようにする
好き勝手、無責任には、させないようにする
決めたこと約束ごとを守らせる

○○しなければよいのか、○○すればよいのか

悪い行為をせず、良い行為をするのが、良い人なのか、良い社会なのか


4.社会や組織の実状は?

何を考え何をやろうとも、社会に影響がないと思うことなら関与しない
その人がどうかではなく、社会にとってどうか、という観点で人を見る
人間が設けた道徳や規範、義務や責任など、それに沿わないことを社会問題とする
他の人が迷惑する、安心できない、社会が乱れる、社会が成り立たない、故に人を規制する
人の思考言動の是非を判定する基準が社会や組織にある

組織や団体の場合も同様に、そこなりのあり方や方針などを設けて、それに沿わないと、そこでは問題になる。そこの人でなければ問題にならない。
  ○○の人なのだから・・・するのが当然
  △△の人なのに・・・・・しないのはおかしい
その組織や社会に加わると規制が生じる、そこの人でなければ規制されない
 組織が人を規制しないと成り立たない組織
 人が組織に従属しないと成り立たない組織
規制を生むために組織をつくるのか、従うためにそこの一員になるのか

社会はこうあるべきだとすることによる      社会自体の不自由
社会はこうあるべきだとすることによって     人がこうむる不自由

 社会や組織はこうあるべきだ  (社会を縛る)
 社会の決まりや方針で規制する  (人を縛る)
 「人が縛る社会」が人を縛る

 
 
5.社会の自由

社会は、こうあらねばならない、こうしなければならない等、守るべき何ものもない
だから・・・、
社会が人を規制しなくてよい
社会が人を裁いたり罰したりしなくてよい
社会が人を咎めたり責めたりしなくてよい

社会が誰かのために何かしなければならないということがない
社会は誰にも何もしなくてよい、社会そのものが楽で自由
そういう社会では、社会に依存する人はいない
(権利を主張するという意識も生まれない)

社会・・・万人に開放された広場



6.人の自由

義務や責任を負わされて、それの引き換えに、やってもらって当り前の権利主張、人任せ、人頼み・・・
そういう人と社会の縛り合いから解放されると、人は自主自発的に生きるしかない
一人では生きられない人間、一人一人が主体となって、その人から発する意志によって社会(広場)をつくり、より良く生かし合って生きる

しなければならない、してはいけない、して当然だ、やらせようとする、やめさせようとする、等々、縛る観念からの解放
しかし、そう思おうとか、そうしないでおこうとか、自分に言い聞かせたり、あり方を掲げて唱えたりしても、解放されない
自分の中にある縛る観念を直視し、自覚して、どのようになっているか、観念の実情を調べて、先ず現状の自分を知ることから・・・
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