人をベースにした社会とは

       人によって構成する社会

       人用の社会

       人になるための社会



人によって構成する社会

1. 人によって構成するとは、その時その場にいる人によって構成するということ
2. 社会に人が不足しているとか余っているということがあるだろうか
3. 社会とは何かの活動するための組織ではなく、実在する人がより良く暮らすためのもの
4. 社会を良くしようとして、あれがあればとか、こういう人がいればとか、あれが要る、これも要る・・・と、それに合わせて人が動くようになる
5. 人のための社会を願っていながら、社会のための人ということになる
人のための社会のための人? この場合の人とは?
6. 社会秩序や社会規範という前提観念のもとに、その社会用の人にするために教育や法制が要る。
7. 縛り・押し付け・意志を妨げる等は、想定した規範(架空の状態)を基準にしている。
人がこうなれば社会がうまくいく等の架空を論じても実在する人によって構成する社会はできない。
8. 人はどんなに良い行為をするか悪い行為をするか分からない。
行為を重視して、悪い行為をなくし、良い行為ばかりになれば、良い社会なのだろうか。
9. 実在する人によって構成するのが人間社会の基本ではないか。
実在する人がより良く暮らすための機構や制度を整備する。


人用の社会

1. 人とは何か
個々に思い 考え 欲求 感情などがあり、意志によって行動する
個性があり、ひとりひとり異なり、精神・行為も常に変転し得る流動的なもの
2. 予想はしても予定できないもの。あてになるものはない。
3. 気持ちや意志は常に変わり得るから予定できないもの
いくら申し合わせ取り決めを交わしたところで、その時にそうするかしないかはその人次第。それに委ねるしかない。
4. いかに重大な事業でも、人の行為というものは、やろうとする人の意志の現われだから、当然やろうとする人でやるもの。やろうとする人がいても、その人だけでは出来ないこともある。やろうと思わない人にやらせることは出来ない。
5. 個々にある思い・考え・感情・欲求などに対して抑圧のない社会・・・最低限の社会基盤
6. 物と心の関係、本能的欲求、自由欲求、安心や満足など、人がより良く生きる要素を解明し、
7. 個性・持ち味・欲求・要求・感情・意志・考え方・人格・・・その人に適した生き方の実現をベースにした機構・制度・運営


人になるための社会

1. 例えば、言ったことをやらない人とか、やりもしないことを言う人とか、或いは、言ったことは必ずやる人とか・・・・
これらは、その人を見ているといえるだろうか
2. 人はいろいろなことを思考し発言し行動する
思ったこと、言ったこと、やったこと、いずれもその人のこと、
必ずしも一致するものでもない、一致していなければいけないということもない
3. ひどい・悪いと思うことを人がやった場合、その人を人以下に見下したり、
逆の場合は、自分を低く見て、劣等意識を持ったり、
或いは、すごいと思う人に対しては、特別人間扱いする。
人を何かの価値観で裁く自分は、その人と共通の人でいるだろうか
4. 何をしていても、何もしなくても、人は人である
人は組織の部品ではなく、事を成すための道具でもなく、能力を売る商品でもない。
5. 先ず、どの人に対しても共通の人であること。
つまり、人以上にも人以下にもならない通常の人であること。
6. 人によって構成する社会、人用の社会は、先ず通常の人になることから。
7. それには、頭の中にある旧来社会から受けた価値観・人間観・・・つまり、地位、名誉、評判、うわさ、規則、契約、約束、取り決め、等々、人間の頭の中の作用であるものを実在するものであるかのように錯覚する観念や、そこからくる権利意識、所有観念、義務感、責任感、上下感などを人と人との間に介在させる妄想観念から解放する。
8. 架空のものを現実だとして生きるよりは、実在する実質に沿って生きる方が自然であるし簡単なはず。
人らしい人に立ち還る機能を社会に備える。
9. そうして、他の動物や機械には真似られない人間ならではの本分を発揮する生き方
知能と人格を高め愛し合って芸術的に生きる、人間らしい崇高な人に成り合う社会
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