6 「良いこと」「悪いこと」

第一章 人間の考え 6 「良いこと」「悪いこと」

 日常生活に大きな影響を及ぼしていると思うものに、道徳とか常識というものがあります。マナーとかモラルなどもこれに含まれるでしょう。法律や規則のように体系だって明文化されてはいなくても、子供の頃から躾けとか教育によって、道徳や常識を覚えていきます。
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◯ 記録 と 記憶

第一章 人間の考え 3 事実・実際とは

 ◯ 記録 と 記憶
 記録は人間(あるいは機械)が残したものであり、記憶は人間の中のことです。文字通り、過去の出来事を記したものが記録・記憶です。

  A 過去の出来事 →→→ B 記録・記憶
 記録・記憶は、過去の出来事によってできたものですから、記録・記憶によって、過去の出来事を知ろうとします。記録・記憶は過去の出来事を推し測ったり、知ろうとする材料にはなりますが、過去の出来事そのものではありません。記録・記憶に残っているからといって、過去の事実そのものとは言えないでしょう。
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3 事実・実際とは

第一章 人間の考え 3 事実・実際とは

 ◯ 相手がそう言ったのか、私がそう聞いたのか
 人が言うことを、どんなに正確に聞き取ろうとしても、言った通りをそのまま聞き取ることはできません。
 これは「言う」行為と、「聞く」行為を物理的に見ると明らかです。「言う」は声帯によって音声が発せられ、「聞く」は空気の振動を鼓膜等でキャッチします。「相手がそう言った」と捉えていることの実際は、「自分がそう聞いた」ということです。
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2 自覚とは

第一章 人間の考え 2 自覚とは

 リンゴの状態があり、部屋の状態があり、それを自分の感覚で「甘いリンゴだ」「汚れた部屋だ」としている。これは、「自分が甘いと感じた」「自分が汚れていると思った」というのとは大きく違うと思います。自分が思ったこと、感じたことを「事実だ」としている。何気ないことのようですが、そこに「事実だ」とする思い込みやキメつけがないでしょうか。
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4 観念上の事実化

第一章 人間の考え 4 観念上の事実化

 「思い込み」「キメつけ」という言葉を用いましたが、思い込み、キメつけようとしている訳ではなく、「自分の感覚であるとの自覚」がないために、自分が捉えたものを「事実」としている状態になってしまっているのでしょう。つまり、自分の中にあることを「事実だ」と思い込んでいる状態です。
 これを「観念上の事実化」と呼んでいます。
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