4 観念上の事実化
第一章 人間の考え 4 観念上の事実化
「思い込み」「キメつけ」という言葉を用いましたが、思い込み、キメつけようとしている訳ではなく、「自分の感覚であるとの自覚」がないために、自分が捉えたものを「事実」としている状態になってしまっているのでしょう。つまり、自分の中にあることを「事実だ」と思い込んでいる状態です。
これを「観念上の事実化」と呼んでいます。
「思い込み」「キメつけ」という言葉を用いましたが、思い込み、キメつけようとしている訳ではなく、「自分の感覚であるとの自覚」がないために、自分が捉えたものを「事実」としている状態になってしまっているのでしょう。つまり、自分の中にあることを「事実だ」と思い込んでいる状態です。
これを「観念上の事実化」と呼んでいます。
甘いと感じると →→ 事実、甘いリンゴだ
汚れていると思うと →→ 事実、汚れた部屋だ
自分がそう聞くと →→ 相手がそう言った
自分がそう見たら →→ 事実そうだった
噂を聞くと →→ そのような事実があった
ニュースを見ると →→ そのような事実があった
温度計の値で →→ 実際の温度は○○度だ
速度計の値で →→ 実際の速度は時速○○キロだ
ものさしの目盛りで →→ 実際の長さは○○センチだ
記録があると →→ そのような事実があった
「自分が捉えたことが事実・実際だ」と思っている人は、事実・実際をよく見よう、よく聞こうとしないで、「思い主導」の行動になるでしょう。
安全だ、危険だ、安心だ、不安だ、儲かった、損した、景気が良い、景気が悪い、たくさんある、少ししかない、ほめられた、けなされた、好かれた、嫌われた、良かった、悪かった、成功した、失敗した……と、自分が捉えていることを「事実だ」として行動するでしょう。
『SCIENZ 5号 サイエンズ入門』より抜粋
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