心理的圧迫

 ・「してはならない」「しなければならない」
 ・「束縛・強制」
 ・「その人の意志を妨げる」
 ・「心理的圧迫」
この4つは、深い関係があるとも言えるし、同じことであるとも言えるでしょう。
親が子どもに向かって、先生が生徒に向かって、「ダメ」とか、「やめなさい」とか、「やりなさい」とか、言う場合。優しく言っても通じないからと、強い口調で言う。
時には、「やめさせたり、やらせたり」という具体的な行動に出る。
そのことの大切さを教えるために強く言う? その子のためを思うからこそ強い口調になる?
本当にそうだろうか? 優しく言っても伝わらない場合、強く言うと伝わるのだろうか?
「言うことを聞きなさい」の「聞きなさい」は、「言う通りしなさい」という意味で、
言い換えると、「言う通りに従いなさい」でしょう。
「やめさせよう」「やらせよう」として強い口調になる、ということは・・・
強い口調によって、「心理的圧迫」を与えて、従わせようとしているのではないでしょうか。
これは初期の「心理的圧迫」です。他にも多種多様の「心理的圧迫」を用いています。
どういうことかと言うと、従わせようとすること自体、束縛・強制ですが、それに従わないと、更なる束縛・強制がありますね(例えば規則と罰則)。つまり、束縛・強制に従うか従わないで、更なる束縛・強制を受けるか、そういう「心理的圧迫」がついて回っているのです。
今の世の中には、子どもからおとなまで、この「心理的圧迫」を用いた、躾け・教育・訓練・鍛錬などが、如何に多いか・・・。幼い頃から「心理的圧迫」を体験して、それから自分を守ろうとすることを身につけると、常に警戒心や恐怖心、不安や疑いを抱えることになるでしょう。
おとなしく従ったり、その場に合わせたりして、人から良く見られている時は、圧迫はないでしょうが、内心そうしないと圧迫を受けるという不安(心理的圧迫)がつきまとっているでしょう。
以上は、個人の問題のことではなく、人が育つ環境や社会制度についてです。

「心理的圧迫」から自分を守ろうとするが故の攻撃性について、  つづく
人 間 観 | - | -