人の増加 と 質の低下

組織や団体がスタートして、生長しながら内容が充実してくると、寄せようとしなくても、人が寄り、集まってくる。会社でも組織でも、運営者や経営者の手腕・力量によっては、かなりの規模に拡大することができる。
そうして、大きな会社や組織になると、現在の社会通念では、立派な会社や組織だと認められ、存在感や影響力も大きくなる。

しかし、人間の生態、人間社会組織という観点からは、大きくバランスを崩していることが多々あると思う。それ故に、統制や管理や機構や運営方法に策を労することになる。何千人、何万人という会社や団体、行政単位など、従来の社会組織は、みんな、その轍を踏んでいると思う。

将棋の駒に例えると、20個の駒の各割合が適正だとしたら、ある駒の数だけが増えてバランスが崩れると、それだけ組織としては弱くなる。
規模が大きくなるなら、適正なバランスで大きくならないと、増大し膨らんだだけの社会・組織は、アンバランスのハンデイを背負いながら、それの対策に労することになる。手腕や力量のある少数の人によって支えられている社会・組織は、その内実は弱体だと思う。
まして、50人100人で充実しているように見える組織に、人が寄って来るだけなら、その組織の運命は目に見えているだろう。

何千、何万、あるいは何億という人を、一つの単位にして運営・行政しようとすること自体、無理なことをやっている今の世の中だと思う。
「人間性」に適った適正な社会単位というものがあると思う。
それは、人数や規模だけではなく、その社会構成のバランスの適正さにあると思う。

新しい社会実験としての「アズワンコミュニティ」も、続々と人が増加する傾向にあるが、このバランスの適正さを実現しようとしないと、管理・統制が必要となり、旧来社会通念に染まり易く、常識観念の気風が主流となり、スローガンだけの「コミュニティ」に堕ちつくことになるだろう。
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