印象記 Ⅴ

ホジョンのこの8ヶ月間の成長の中で、特に僕が興味を惹かれたのは、周りの大人に対するホジョンの反応だ。例えば泣いたり笑ったりすることにおいても、さまざまなケースがあり、またその表情にもいろいろなニュアンスが出てきているということだ。

ホジョンの内面がどのように変化してきているのかは、直接観ることはできないが、いわゆる気持の変化やいろいろな感情の発生と呼んでもいいような事態がホジョンの中に随分と出てきているのだろう。ホジョンの内面がより豊かになり、徐々に人らしくなってきていると言ってもいいのかもしれない。

そういう中でも僕が面白いと思うのは、ホジョンの中での人を見分ける能力の発達といったらいいだろうか。

生まれたばかりの赤ん坊は視力がほとんどないようだ。ホジョンの目が動くものを追うようになったのはいつの頃からだったか、生後ひと月かふた月か、よく覚えてはいないが、そのうち人の動きを追うようになってきた。ホジョンの周りで動くものといったらほとんど(母親などの)人だから、人の動きを追うといっても、最初から人を他の物から区別して見てはいなかっただろう。

ただ、そのうち人の顔を見るようになり、さらに人の目をハッキリ見るようになり、人と、目と目と見合すみたいな感じも出てきて、人の顔を見て笑ったり泣いたりと、人に対していろいろな表情を作る。最初人の目をチラッと見るが、あとは如何にも興味ないといった顔をして、目を逸らすこともある。

もうすでに(他の)人というものが、ホジョンにとって他の物とは区別される存在になってきていることは確かなようだ。いつの時点からそのようになったかは、よく分からないが・・
幼児の発育 印象記 | - | -