印象記 Ⅱ

ホジョンは生後一週間もしないうちに笑みを浮かべた。眠っているときにも時々笑みは見受けられた。その内面がどのような状態であったかは知るよしもない。その時点でもう何か感情と呼べるようなものがそこに発生していたのかもしれないし、単に顔面の筋肉が偶然弛緩しただけなのかもしれない。

いつしか人の顔を見て笑うようになった。最初はゲラゲラ笑うというより人の顔を見て<にやり>とするといった感じだ。この時点では、すでに人の顔を見ての反応変化(感情?)がホジョンの内面に起こっていたと見てもよいのではないか。

間もなく生後8ヶ月になる今の時点で、かなり笑うようになってきている。笑い方もいろいろだ。どういうつもりか知らないが、ホジョンは最近僕の顔を見ただけで、足の屈伸運動をしながら声を出して笑うときもある。生まれたばかりのころは、泣いてばかりいるという印象が強かったが、もちろん今も泣くときには大いに泣くが、それと同じぐらい?に笑う。大人はその笑い顔を見たくて、赤ん坊をあやすのだろう。それに助長されて赤ん坊の笑う頻度も増えていくのかもしれない。

一概に言い切れないかもしれないが、やはり赤ん坊は人が回りにいるときに笑うことが多いのではないかと思う。いろいろなケースはあるだろうが、赤ん坊は主に人に反応して笑うのではないか。それは人との接触でその内面に変化が起こっているということだろう。

意識的に細かく観察していたわけではないので、ホジョンが笑うときのいろいろなケースや笑い方のニュアンスが、生後の時の経過の中でどのように現れてきたのか具体的には表現できないが、笑いということを通してもホジョンの内面における、周囲、特に人対する反応が次第に豊かになってきている、いろいろなニュアンスの反応変化が起きてきている、そのように受け取ってもよいような気がする。

それを、いわゆる気持の変化や感情の発生と見てもよいのではないか。この時期、身体や動作の成長発達とともに、内面における成長発達?も大いに進展していると見受けられる。
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