内観コースに一青年を受け入れて Ⅱ

 この青年は、これからの進路や将来のことについて考えるつもりで来たらしい。それが「『内観ではこれからのことでなく、今までの(過去の)自分を調べるのだ』と聞いて、最初はやる気がでなかったけど、調べる中で、自分が知らないうちに様々な人に世話になりまた迷惑をかけていたこと気付き、真剣に内観に取り組むようになった。そして過去の自分が見えていくうちに将来の自分が見えてきた」というように話していた。

 過去の自分(今までの人生)は、自分がこれからのことを考えていくための資料になる。自分の成り立ちや、自分が受けてきたものの大きさ、人とのかかわり・つながり、それを身を持って知る。そこからまたこれからの自分の人生が描けてくる。そしてその青年が「何かの節目にはまた内観研修に来たい」と話していたのは、自分のこれからの生き方を考えるときに、<自分を知る>ことがいかに大事かということも身を持って知ったからだと言えないだろうか。(続く)
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