自分を知るための内観コース Ⅱ

・内観法体験のポイント
1.母のことを検べるのではなく、自分に目を向けて、自分を検べること
 
 母は、こんなだった、あんなだった、こういう人だった、ということを検べるのではなく、母に対する自分に目を向けて検べる。母に対する自分がどうであったか、自分の行為態度気持ち感情思い考えの方を検べる。
 
 この場合、「母はこういう人だった」というような母に対して自分が抱いているイメージが、それこそ自分のイメージであって、実際の母とは別だということの自覚のある人は、最初から自分の方に目を向けられるが、そういう自覚が薄く「実際母はこういう人だった」というように強く思いこんでいる人は、なかなか自分の方に目が向かない。とくにうらみつらみとか、あるいは強い尊敬の念とか、そういう強い感情が伴っている場合、相手の方ばかり見てしまう。そういう場合でも、その人がいかにして自分に目を向けるか、あるいは、いかにしてその人が自分に目を向けるように仕向けるか、そんなあたりが、最初の段階でのポイントになる。
 
 自分に目を向けた場合逆に、自責の念や後悔の気持とか湧いてきて、そのままの自分を見れないというようなこともある。また検べる過程で気づけたり見直せたりすることも多く、そこにいろいろな気持感情感動が伴ってくるが、そこに捉われないようにあくまで検べる方向に促す。

 自分のありのままそのままを見ようとする、検べようとする、そういう姿勢、そういう方向性が出てくるにしたがって集中の度合いも強まっていく。そこには集中しやすい環境も用意されているわけだから、あとは思う存分自分を検べることが出来る。気づきの連続というか、続々新しい発見もされるが、そこに留まらないで検べ続ける。
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