人が決めたこと(ルール・規則等)に対する意識

人が決めたこと、ルールや規則や法律が、どのような意識で捉えられているかを観察してみると・・・・。
研鑚会で出た例からのメモと感想。

決められたゴミを出す場所以外の場所にゴミを捨てているAさん。
「本来は、あそこに捨てることになっているんだけど、事情があってこっちに捨てて・・・」と説明する。
「本来」って、どういうことだろうか?
今の段階で、人間がとりあえずの何らかの理由・都合で取り決めたことを、「本来」という意識で捉えているようだ。
だから、その「本来」とは違う行動をとる自分に対して、「自分には事情があって」と、殊更に正当性を主張したくなるような意識になっているようだ。

あるドラッグストアの駐車場に車を停め、その店以外の用事を済ませようとしていたBさん。店の人が、じっと自分を見ているような気がして、「本当はしちゃいけないんだろうけど・・・、でも、Cさんも、Dさんも同じ事しているし、Sさんは、ここに停めてもいいと言ってたし・・・」と頭を回転させる。
「本当」とはどういうことを指して言っているのだろう?
仮に、お店の人が、「ここは俺の店の駐車場だ。停めてはいかん!」と言ったとしても、それが本当のことなのだろうか?
お店の人は、その人の価値観・考えで、そう思うということはあるだろう。
でも、それが本当のこと?
そこの場所は、本当は・・・?
人間の考えでは、自分の場所とか誰かの所有とかは出てくるだろうか、そのものはそのもので、本当は、誰かのものとかは関係ないこと・・。

人間が今の段階で取り決めたことが、あたかも現実に存在するかのようになったり、それが本来的なものとか、本当のことのように観えてしまう意識構造があるようだ。
その意識構造に光が当たると、その人の中で、人間の考え、人間同士の取りあえずの決め事というものの実質が浮かび上がり、客観的に観え、検討の対象になってくる。即ち、キメつけが外れ、縛りから開放された状態になり、そこから色々考えていけるようになる。
意識構造に光が当たるということは、自分の捉え方が客観的に観えるようになるということ=自覚。
そしてまた、「本当」とか「本来」とは、本当はどういうことを指しているのか・・・と、そこに焦点がいくことが、研鑽への一歩なのだろう。
社会構成の基本 | - | -

社会構成の基本  メモ

社会を構成するに当たり、基本となる考え方如何により、どのような社会が出来てくるかが決まってくるのだろう。

現代社会は、日本をはじめ多くの国が法治国家と呼ばれ、法治主義という考え方を基本に国づくりをしているようだ。

法治主義を辞書(大辞林)で調べてみると、
(1)法に従って権力を行使するという政治原理。絶対主義における王の全能的支配を否定して成立した。法の支配。
(2)人の本性を悪とし、徳治主義に反対して、厳格な法によって人民を統治する主義。中国の法家(ほうか)やホッブズなどの立場。

法治国会ではない国は、独裁主義とか、ならず者国家などと呼ばれ、非難されたりしているようである。

法治主義は、話し合いの出来ない、自分一人で幅ろうとする人用の社会の考え方とも言えようか。
話し合いが出来ないから、一人幅ろうとする人がいるから、法(人間が決めたもの)を絶対として、それに従うことで、秩序を保とうとするの。
こういう社会では、話し合いとは、何かを決めるための話し合いとなっていくのだろう。そして決まったことを守る、守らせるということに、多大なるエネルギーを費やし、そういう観念が出来ることで、ますます話し合いの出来ない人を養成するという循環になっていく。
人よりも、法が上になる社会。

このような考え方からすると、人がいて、人間の知能により、絶えず、より良きを目指しつつ、進展・発展しながら進む社会は、まさしく「理想社会」はたまた、夢のような・・・というほど、現代の社会観とはかけ離れているものなのかもしれない。

このような社会構成の元には、
愛と理知に立脚
人間愛の基調の上に組み建てねばならない
という人間観・社会観がある。

そこに至るには、
幅る辱しさに気付いて、他に譲り度くなる、独占に耐えられない人間になり合うことが必須条件となる。
→話し合いの出来る人、ひとと共に繁栄しようとする人に、一人一人がなっていく精神革命が必要。
一人一人がそうなっていこうとすることと、社会としてそうなっていき易い環境・仕組みなどを整備していくことに重点を置いていく。

考え方の革命→人間観・人生観・社会観の革命→人格の養成・涵養

先ずは、法で縛らぬ人になり合わない限り、本当の社会づくりは始まらない。
自分の自由は認め、求めるが、他の行為・言動・思想・考えなどを認めない、許せない、縛ろうとする精神面の解決が必要。
= 自覚のある人への革命から。
= 研鑽能力を身につけるところから。
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