9 社会や人間問題の根本原因

第一章 人間の考え 9 社会や人間問題の根本原因

「自覚の欠如」「観念上の事実化」などについて述べてきました。現状の社会機構や教育は、これらをベースにしたものだ言えますが、だからといって、今ある機構や制度をなくせば、問題は解消されるのかというと、そうではありません。重要なのは、社会や人間問題について、「なぜだろう?」そして、「どうなっているのだろう?」と、科学的に探究していくことだと思います。

私たちは、人間と社会について探究する中で、やはり問題の原因は、「人間はこういうものだ」「社会はこういうものだ」と、それがあたかも、人間や社会の実際であるかのように強固に思い込んでいるからではないかと考えるようになりました。
そのために、「人間はどうなっているのだろう?」「社会はどうなっているのだろう?」との探究が浅く、進歩のない人間社会を繰り返しているのでしょう。
更にそこから、「人間の考え」が、「人間はこういうものだ」「社会はこういうものだ」と思い込んでしまうのは、「なぜだろう?」「どうなっているのだろう?」と、そのからくり・メカニズムを探究していくと、ここで述べた「人間の考えであるとの自覚」つまり、「自分の感覚、自分の考えであるとの自覚」に焦点が当たってきたのです。

 『SCIENZ 5号 サイエンズ入門』より抜粋
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