7 教育が自覚のない人を作る

第一章 人間の考え 7 教育が自覚のない人を作る

 「自覚の欠如」の大きな要因になっているのが、現代の教育だと思います。例えば、現代の教育では、「地球が丸い」ということを事実だとして教えています。しかし、「地球が丸い」かどうかの実際を、私は知っているとは言えません。
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 「明治維新があった」「広島に原爆が落とされた」「アメリカで9・11のテロ事件があった」など、それらが実際にあった事なのかどうか、私は実際を知っているとは言えません。そういう事がなかったとは思いません、あったのだろうと思いますが、資料や教科書や報道などの情報によるもので、事実そのものを知ることはできません。
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 勉強して知識を得たり、いろいろな情報を得ると、その事が分かったような気になり、知ったようなつもりになることが多いでしょう。テレビや新聞を見ても、人から聞いた話でも、事実・実際を知ったつもりになりやすいです。しかし、事実・実際には、触れてもいないし、知らない筈ですね。
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 学校教育を例にとると、学校の先生自身が実際には知らないことを、「こういう事実がありました」「これが正解です」 と、子供たちに教えているのではないでしょうか?
 明治維新が何年にあったのか、実際にあったのか、そんなことを知る先生は一人もいないと思います。絵画や小説や歌なども、誰の作なのか、事実を知る人はいないと思います。
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 このような教育によって「事実を知っているつもりの人」をどんどん作っているのです。
 「自分は実際を知っているとは言えない」ということを知らない人。つまり、自覚のない人。
 「自分の中のことであるとの自覚」とは、言い換えると、「自分は実際を知らないとの自覚」とも言えるでしょう。

 『SCIENZ 5号 サイエンズ入門』より抜粋
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