何をするにも、兎にも角にも、要は人間問題やね。
人間問題をなおざりにして、何やったって、結局、そこが問題になる。
決して避けては通れない関門。

人間問題といっても、大ざっぱな一般論ではなくて、ひとりひとり生まれも育ちも違って、今日に至っているのだから、その人の中身、問題の中身も一人一人みな違う。
今日の姿を捉えて、考えや発言や行動を捉えて、良い人だとか、悪い人だとか、好かれるとか、嫌われるとか、・・・いろいろ評価したり問題視したりするけどね・・・。
その人の性格やら人柄やら心の状態を言ってるようだけど、それらは今日の姿だよね。
人の今日の姿・状態というのは、生まれ育ちによる集積で、成るべくして成っている。
良いとか悪いとか言って、今日の姿・状態を取り上げて、それを変えようとか正そうとしがちだけど、的外れなことが多い。
（作物で言うと、先端の実の部分だけ良くしようとしてるようなもの）

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これは、もちろん自分にも言えることで、今日の自分に至るには、自分ならではの生まれ育ちによって、形成されたもの。自分の意志によらないものが殆どだよね。
だから、人間問題を扱うということは、今日のその人の姿や状態を言うのではなく、それに至る生まれ育ちなどを、理解して知ろうとしなければ・・・、ということになると思う。
人と人によって、活動や暮らしを共にしたりする訳なんだけど、やはり、お互いを知り、理解し合うことを欠いては、仕事や事柄だけの繋がり、上っつらな人間関係しかできない。
そんな人間関係の中で、人のことを言っても上っつらなことを言ってるにすぎない。

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本当にその人を知るとか、自分を知るとなると、そんな上べのことでは知れないと思う。
現状の人と人との間柄を見ると、会社の同僚でも、仲間でも、友人知人でも、その人の生まれ育ちや、どのようにして今のその人になって来たかなど、知り合うような間柄は、極々少ないと思う。
結婚しようとする男女なら、お互いのことをよく知り合おうするだろう。でも、過去のことには触れないまま、今日の姿や状態だけで、惹き合って、一緒になる場合もある。
そうしてから、徐々に生まれ育ちの環境や過去のいきさつ等を知り合う場合もある。

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まあ、今の世の中では、結婚相手でもない人の生まれや育ち、今日までのいきさつを話し合うなんてこと、ほとんどないよね。でも、何やるんでも、人のことが問題になってくるから、人のことをいろいろ考えたり、関係面に悩んだりする。
つまり、その人のことを知らないで、その人のことを言ったり考えたりしている。
これは、自分に対しても似たようなものだと思う。

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各国首脳の会談でも、政治家の討論でも、そういうことをやる前に、人と人、つまりお互いを・・・どういう人なのかを知って理解し合うということをもっとやればね。
お互い生まれも育ちも自分とは全然違う訳だから、発想も言動も違うのは当然でね。
なぜ、そのような発想・言動をするのか、その人の過去から現在に至る変遷をよーく聞けば、「なるほどなるほど、だからそういう発想や言動になるのか・・・」と、成るべくして成っている今日のその人の姿や状態が理解できて、認めることができると思う。

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このように、「その人を知る」ということが実現しないと、その人のことは言えないと思う。これは、自分についても同じと思う。
どのようにして、今のその人、今の自分ができたのかを知らないと、その人のことも自分のことも理解できないままだよね。（「こいつ、わけの分からん奴だ」となる）
それでもって、現状の姿や状態だけ捉えて、ああだこうだと言ってることが多い。
その人を知る、自分を知る、ということを実現するには、本当に安心して自分を開けっぴろげにして、自分で自分のことを良く観て、なんでも言える状態（環境）が要ると思う。

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それから、それから・・・、それからが肝心で・・・。
お互いに理解し、その人そのものを認め合えるようになることが先ず不可欠で、
それでメデタシメデタシの終わりじゃない。
そこから、より良くだよね。欠陥や間違いを無くして、より良くだね。
今の世の中の人間関係では、そういう人と人の間柄をなおざりにして、人をことを知らないのに、上っつらだけ捉えて、人の欠点や間違いを正そうとしてる。
（医者が患者を見かけで判断して、いきなり手術しようとするようなもの）
今日のその人に至るまでの成り立ちをよく理解して、そこから、より良く前進して行くには、どうすれば良いか、と原因を解明して、方法を検討していく・・・となると全然違ってくる。

事柄優先、業績第一・・・と割り切ったって、どうせ何やるんでも、人がやることだから、人間が問題になってくるのは決まってる。それが嫌なら、ロボットだけ相手にして暮らすしかない。
誰にも欠かせない要素。人へのアプローチ。（もちろん自分も含む）
それを整えなければ、人間生活、人間社会は成り立たないと言ってもいいかもね。