研究所サロンに参加して Ⅲ

 スライドに書いてあったかどうかは覚えていないし、佐藤さんがどんな言葉で表現したかも定かではないが、自分が聞いた印象として何か残っていて、面白いなと思うことがあった。自分が聞いて受け取った内容というより、そこから自分で考えたことになるかもしれないが・・

 人には、自分(自分の中・自分の頭の中)を観る能力がある。
 
 人の中(内面・頭の中)を表す言葉(概念)は沢山ある。感覚や知覚、脳や心、気持や感情(喜怒哀楽)、思いや考え、記憶や予想、意志や欲求や希望など、多分数え切れないほどあるだろう。また文学にしても人の内面を表現しているし、心理学・脳科学等の学問も、人の内面や頭の中がどうなっているかということの研究だと言える。ちょっと乱暴な括り方になるかと思うが、要は全部、最初は人に備わるところの<自分(自分の内面・自分の頭の中)を観る能力>から産まれたものではないか。それらがその後どんなふうに展開したとしても・・

 こう考えると、改めて<自分を観る能力>というものの重要性を思う。それら言葉(概念)や学問を学ぶにしても、また自分の生き方の参考にするにしても、<自分を観る>ということがあってこそ、自分にとって意味(実)があるのではないか。

 <知る(知ろうとする)>機能というものが、人間には備わっていると言う。それにしても、自分を知るには、文学を読んでいろいろ感じたり思ったりすることよりも、また心理学や脳科学や哲学の本からいろいろな知識を取り込むことよりも、自分を観るということが先決ではないか。自分を知るということは、自分を観ることから始まる。そんなことを思った。
「知る」とは | - | -